施工管理は未経験からなれる?国のルールで見る、はじめ方と資格のこと
手取みらい
はじめての現場は、わからないことだらけ。
でも、だれでも最初は「はじめて」です。
未経験からの道すじを、国のルールで見てみましょう!
「施工管理の仕事に、未経験から挑戦できるのかな?」と考えている人に向けた記事です。
法律と、国土交通省や試験の実施機関の資料をもとに、はじめ方の道すじを、できるだけやさしく説明します。
要点
- 工事の現場には、責任者(主任技術者)を置く決まりがある
- 責任者になるには、決められた資格か、長い実務経験が必要
- 国の資格試験の第一次検定は、実務経験がなくても受けられる(年齢の条件だけ)
- 第二次検定は、第一次検定に合格したあとの実務経験が必要
- 会社を選ぶときは、経験を積みながら資格をとれる環境かを確かめたい
言葉の説明
- 施工管理: 工事が、安全に、予定どおり進むように管理する仕事です。現場監督とも呼ばれます。
- 主任技術者: 工事の現場で、技術のことをまとめる責任者です。
- 実務経験: 実際に工事の仕事をして積んだ経験のことです。
- 施工管理技術検定: 施工管理の力を確かめる、国の試験です。合格すると「施工管理技士」を名のれます。
施工管理の仕事は、法律でこう決まっている
建設業法という法律では、工事の現場に主任技術者を置くことが決められています(第26条)。
主任技術者の仕事は、法律に次のように書かれています(第26条の4)。
- 工事の計画をつくる(施工計画の作成)
- 予定どおりに進むように工事の進み具合を管理する(工程管理)
- できあがりの質を守る(品質管理)
- 現場で働く人への、技術のうえでの指導
また、現場で働く人は、主任技術者の指導に従う決まりもあります。
つまり、施工管理は、現場のみんなが安全に、きちんと仕事を進められるようにまとめる役目です。
未経験の人は、すぐに責任者にはなれない
主任技術者になれる人の条件は、建設業法の第7条第2号に書かれています。大きく分けると、次の3つです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| イ | 指定された学科を卒業して、高校なら5年、大学・高専なら3年以上の実務経験がある |
| ロ | その工事の実務経験が10年以上ある |
| ハ | 国が、イやロと同じ以上の力があると認めた人(国の資格に合格した人など) |
つまり、経験がまったくない状態では、現場の責任者にはなれません。
そのため、未経験から入る人は、先輩のもとで経験を積みながら、資格をとるという道が基本になります。
「ハ」の資格の代表が、次に説明する施工管理技術検定です。くわしくは、施工管理技士の資格ガイドで説明しています。
みらいのひとこと
「すぐにはなれない」と聞くと、ちょっと不安になりますよね。
でも、経験を積める会社を選ぶことが大切、ということでもあります。
資格の試験は、未経験でも受けはじめられる
施工管理技術検定は、「第一次検定」と「第二次検定」の2段階です。
第一次検定は、実務経験がなくても受けられます。国土交通省の資料では、年齢の条件だけが決められています。
| 試験 | 第一次検定を受けられる年齢 |
|---|---|
| 2級 | 17歳以上(その年度の終わり、3月31日の時点) |
| 1級 | 19歳以上(その年度の終わり、3月31日の時点) |
「受ける日に」その年齢である必要はなく、年度の終わりの3月31日の時点で、条件を満たしていればよいとされています。
学歴は、第一次検定の条件にはなっていません。
みらいのナイショ話
第一次検定は、年度の終わり(3月31日)に年齢の条件を満たしていればOK。
受ける日に、まだ誕生日が来ていなくても大丈夫なんです!
第二次検定には、実務経験が必要
第二次検定は、現場で技術上の管理や指導をする力があるかを確かめる試験です。
2024年度(令和6年度)から、受検資格が変わりました。新しい資格では、第一次検定に合格したあとの実務経験で、受けられるかどうかが決まります。
| 試験 | 第二次検定を受けるために必要な実務経験(新しい受検資格) |
|---|---|
| 2級 | 2級の第一次検定に合格したあと、実務経験3年以上(建設機械の種目は2年以上)。または、1級の第一次検定に合格したあと、実務経験1年以上 |
| 1級 | 1級の第一次検定に合格したあと、実務経験5年以上。または、特定実務経験(一定以上の金額の工事での経験)を1年以上ふくむ3年以上。または、監理技術者補佐としての実務経験1年以上 |
※このほかに、持っている資格によって条件が変わる場合があります。くわしくは、試験の実施機関の手引で確かめてください。
また、2028年度(令和10年度)までは、古い受検資格も選べます。学歴と実務経験の組み合わせで決まる、これまでの条件です。
実務経験は、証明が必要
第二次検定に申しこむときは、実務経験を証明する必要があります。
国土交通省の資料では、新しい受検資格について、工事ごとに、次の人が証明することが求められています。
- 工事を請け負った会社の代表者など
- または、その工事の監理技術者など
つまり、会社の協力が欠かせません。転職先を選ぶときは、「実務経験の証明を、会社がしてくれるか」も大切なポイントです。
未経験の人が、転職先で確かめたいこと
求人票や面接で、次のことを聞いておくと、入ったあとのイメージがつかみやすくなります。
- 入社したあと、どんな順番で仕事をおぼえるのか(先輩がつくか、研修があるか)
- 資格をとるための助けがあるか(試験の費用を出してくれるか、勉強する時間があるか)
- 実務経験の証明を、会社がしてくれるか
- 1か月の残業時間の平均と、休みの日数
残業のルールについては、建設の仕事の残業のルールで説明しています。
求人をくらべるときは、「実際の時給」の出し方も参考にしてください。
試験の日程・費用は、公式サイトで確かめる
試験の日程、受検の費用、申しこみの方法は、毎年変わることがあります。
建築と電気工事の試験は、一般財団法人建設業振興基金が実施しています。土木・管工事など、ほかの種目は、別の機関が実施しています。
受けるときは、必ず、最新の案内を、公式サイトで確かめてください。
もとにした資料(出典)
- 建設業法(e-Gov法令検索)第7条・第26条・第26条の4・第27条(確認した日: 2026-11-06)
- 令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります(国土交通省・令和5年11月9日版)(確認した日: 2026-11-06)
- 「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等について(国土交通省)(確認した日: 2026-11-06)
- 建築・電気工事施工管理技術検定(一般財団法人建設業振興基金・試験の実施機関)(確認した日: 2026-11-06)
- 新受検資格での受検申請について(一般財団法人建設業振興基金)(確認した日: 2026-11-06)